(4)競争市場の選択・・・競合企業の分析で発見が! [なんちゃってコンサルティング]
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いよいよ本題に突入しました。知人がやりたい新規事業における商品・サービスのイメージはもやっとあるのですが、事業コンセプトというレベルでの具体化はまだこれからです。知人自身もコンセプトをどうやって具体化したものかと考えていましたので、今回のコンサルティングでは、最初のイテレーションでは特に外堀から攻めてみたいと思います。
全体計画上では、以下のプロセスです。
1.1 競争市場の選択(事業選択)
1.1.1 事業選択
1.1.2 市場調査(規模・特性・成熟度など)
1.1.3 競合調査(戦略・規模・運営など)
ということで、そもそもどの領域で事業をするのかを明確にするために、イメージしている市場の調査と、どんなところが競合他社になりそうかを検討しました。
まずは、イメージしている市場全体についてネットで調査しました。市場規模の変遷を見ると、そこそこの規模なのですが、あまり変化がないようです。その市場のトップ10企業の顔ぶれの変遷を見ても、あまり変化がありませんし、どの企業の規模も同程度で圧倒的に強い企業がまだないようです(少なくとも国内企業は)。どうやら、市場全体の成熟度は成長期が過ぎて、成熟期にあるようです(知人と私の肌感覚から言っても)。
ここでは、知人にプロダクトライフサイクルの話をして、これは市場(業界)全体にも当てはまるので、市場全体の状態・特性からも競争戦略を考えるべきであることを説明しました。これについては、有名な書籍「競争の戦略」で、成熟段階別の特徴が詳しく説明されています(書籍全体の考え方が古いとかの批判もありますが、多くの新しい戦略論はこの考え方の上に成り立っていると思います)。
次に、まずは直接的に競合となりそうな企業について調査しました。ここでは、ネットだけでなく、既に知人が足で調査した(というか単に好きで入り浸っていたというか・・)現場情報や経験が非常に役に立ちました。やはり現場は大切です。ひとまず、競合企業の規模と業態別に代表的な競合を一つ選び、その戦略(コンセプト)・規模・運営などを表にまとめました。さらに、知人の現場経験をヒアリングしていると、競合企業はいずれもある一面のコンセプトだけで差別化を図ろうとしていることが浮き上がりました。商品・サービスの価格や運営面などではあまり大差がないようです。
と言うことで、そのある一面のコンセプトを二つの軸で二次元マップに分類してみました。するときれいに競合企業が重ならないで分類できたのです。だからこそ、成熟期にある業界でも、長い期間、同規模の企業がたくさん共存することができるのですね・・おそらく意識して、うまくすみ分けているようです(う~ん、こういう分析は面白いです)。しかも、マップ上のある領域に競合企業が少ないことが分かりました。これはチャンスです。もちろん、少ないのには理由があるはずですが、それはこれから検討しないとなりません。
この段階で、先の書籍「競争の戦略」で有名なファイブフォースを知人に説明しました。競争と言っても、競争するのは業界内の競合企業だけとは限らないことを紹介し、今後のイテレーションで、競争の範囲を広めて検討する必要があることを説明しました。今は、最初のイテレーションですので、業界内の競合(競争)の分析でとどめておくことにしました。
ところで、書籍「競争の戦略」では、ファイブフォース分析手法の他にも、3つの基本戦略(コストリーダシップ/差別化/集中)が有名ですが、書籍の後半では、業界内の競争環境を5つのタイプに分類・分析し、その環境下でとるべき戦略・戦術も提案されています。これによると、知人が参入しようとしている業界は、どうやら多数乱戦業界のようです。ちなみに、この書籍は分厚いですので、以下のような「「競争の戦略」がわかる本」などで全体をつかんでから読むとよいかと思います(この書籍は原本全体を要約した内容です・・原本の太字部分を抜書きしたような・・(笑))。
マイケル.E.ポーターの「競争の戦略」がわかる本―ポケット図解 (Shuwasystem business guide book)
- 作者: 中野 明
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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