(5)社会利益方針策定・・・事業の社会性は? [なんちゃってコンサルティング]
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顧客・自社・競合他社(3C)の切り口で、戦略やマーケティングを検討することは多いと思います。しかし、近年ではCSRが盛んに言われますが、事業の長期的な持続性を担保するには、その事業の社会性も考えていかないとならないと思います。ミスター・マーケティングと言われているコトラーもソサイエタル・マーケティングという概念を提示しています。消費者の欲求、企業の利益、社会の利益、3つ全てを実現しようと言うものです。コトラーも数多くの書籍や論文がありますが、その思想全体を手っ取り早く知るには、書籍「コトラーのマーケティング論がわかる本」などが手ごろだと思います。
ポケット図解 フィリップ・コトラーの「マーケティング論」がわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)
- 作者: 宮崎 哲也
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
と言うことで、今回は、3Cを包含している社会、この社会利益・社会性の切り口から、今回の事業の戦略(他社との差別化)を検討しました。全体計画上では、以下のプロセスになります。
1.2 社会利益方針策定
1.2.1 市場における社会的課題調査
1.2.2 顧客との取組み方針策定(トレードオフ・教育など)
最近では、どこの企業も意識していますし、この面からの差別化は難しいのかもしれませんが、仕入れ・販売チャネルについて、フェアトレード、ブラックマネー、環境などの点について検討しました。知人からヒアリングしてみますと、ターゲット市場においては、どうやらそれらの3点とも課題になっているようでした。なかでもブラックマネー的な問題があるようですが、それらをどう排除した取り引きをするのか、そもそもできるのか、ビジネスモデル策定のプロセスで具体的な検討をすることにしました。まあ、それほどやばい市場というわけでもないのですが・・
さらに、上述の社会利益というのは、消費者(顧客)の欲求や企業の利益とは相いれないことが多いわけですから、自社だけでなく、顧客にも、社会利益とのトレードオフを受け入れてもらうこともあるでしょう。また、それを理解・納得していただくための顧客教育も必要になるでしょう。と言うことで、その点においての検討もしました。
自社のコントロールは相対的には簡単ですが、お客様(顧客)については、社会利益を配慮した購買行動(商品・サービスの原価低減行動など)をしていただけた場合、自社の労力や寄付などをもってその行動によるお客様の損失分を社会利益に変換する方針としました。例えば、商品の簡易包装を選んでいただいたお客様には、そのコスト減分を自社の労力によって商品の価値をさらに高める、というサービスをする方針にしました。コスト減分の寄付とかもありですが、お客様の教育という観点から、直接的にお客様に目に見える形でフィードバックがある方がよいだろう、という判断です。
ドラッカーも企業の社会的責任についていろいろと言及しています。その本質は、知りながら害を生むな、ということなのだそうです。と言うことで、今回の場合では、特にブラックマネーの存在があることを知っている以上、この点においての対策はきちんと検討しよう、ということにしました。ちなみに、考えてみれば、知りながら害を生んでいる人は、どうも昔から権力を持った偉い議員さんに多いような気がしますが・・・プロフェッショナルな倫理観を持った給料泥棒でない議員さんいないかなぁ・・・
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◇ ご紹介書籍リスト ◇
・ フィリップ・コトラーの「マーケティング論」がわかる本 ISBN : 4-7980-1293-9
・ 図で読み解く!ドラッカー理論 ISBN : 4-7612-6193-5
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